パワーメーターが発売されはじめたのは、今から15~20年くらい前でしょうか。
その頃の販売価格は、30~40万円程度。
私のレベルだと、フレームよりはるかに高価な代物でした。
ふと、現在のパワーメーターはどんなことになっているのかな?と思って少し調べてみました。
安いものだと5万円以下から、高いものでも20万円くらいであるようです。
パワーメーターとは
パワーメーターは、その名の通りパワーを計測する機器です。
サイクリストがどれくらいの出力を出しているかを、リアルタイムに計測することができます。
速度は道路の勾配や風の向き、強さの影響を受けるため、パワーメーターが普及するまでは、心拍数を見て現在の運動強度を判断していました。
心拍数計は安価なため、現在でも広く使われていますが、選手やシリアスサイクリストの間ではパワーメーターを使用するのが当たり前の時代になっています。
心拍数だと、運動負荷の変化が心拍数の変化に表れるまでにタイムラグがありますし、その日の体調にも左右されます。
パワーメーターであれば、リアルタイムに、絶対値を計測することができます。
近年、Zwiftなどでスマートトレーナーを利用する人が、外でのライド中にも出力を知りたいというニーズもあるようです。
パワーは、トルク(クランクを回す力)×ケイデンスで求められます。
自分が出すことのできるパワーがわかっていれば、たとえばヒルクライムで1時間で力を出し切るには、何Wで踏み続ければよいといったことがわかるので、ペース配分がしやすくなります。
ロードレースやトレーニングでも様々な活用方法がありますが、そちらの紹介は専門の方に任せたいと思います。
パワーメーターの仕組み
パワーメーターは、サイクリストがクランクを回したときに生じるひずみの大小を測定しています。
ひずみが発生すると、金属の抵抗値が変化するため、その抵抗値を測定し、出力を計算します。
既成の部品に後付けするよりも、シマノやSRAMなどがパワーメーターとセットで開発した製品の方が、一般的に性能が良くなります。
また、ペダルを回す方向(接線方向)以外の力(たとえば上死点での下向きの力)まで測定してしまうと、実際に自転車を前に進めるための出力が正しく計測できなくなってしまいます。
パワーメーターの種類
パワーメーターを取り付ける場所は、大きく分けて5ヶ所あります。
スパイダー
サイクルロードレースにおけるパワーメーターの火付け役となったSRMが採用したのが、スパイダー部での計測でした。
スパイダーとは、フロントチェーンリングとクランクの間の部分を指します。
一般的に、高精度で計測することができます。
クランク
現在の主流がクランクで計測するタイプでしょうか。
スパイダー同様、高い精度で計測することができます。
また、価格は高くなりますが、左右のクランクで計測する製品であれば、左右それぞれのパワーを計測することができます。
ボトムブラケット
ボトムブラケット部分、左右のクランクを繋ぐシャフト部分で計測するタイプです。
センサがボトムブラケットの中にあるため、落車などによる破損のリスクを抑えることができます。
一方、ボトムブラケットの規格が異なるフレームに乗り換えると、移植できない恐れがあります。
ペダル
ペダルにパワーメーターを仕込んだタイプです。
ペダルを交換すれば、別のロードバイクで使用することができますので、ロードバイクを”多頭飼い”されている方にうってつけのタイプかもしれません。
デメリットとしては、落車時やバイクが転倒したときに破損するリスクが高いことでしょうか。
ホイール
ホイールの後輪のハブで計測するパワーメーターがありましたが、現在は下火となっています(販売されていない?)。
一般サイクリストであればそのような機会はほとんどありませんが、レース中にホイール交換をおこなうプロのレースで採用されにくいということが原因にありそうです。
プロのレースで使用してもらえないと、広告宣伝効果もありませんし、選手からのフィードバックを受けることができませんので。
ペダリングを矯正できる?パワーメーター
シマノが販売している「フォースベクトル」機能が付いたパワーメーターを使用すると、単にパワーがわかるだけでなく、クランクの位置が1時~12時の場所にある時の力の大きさと方向を可視化することができます。
もともと、パイオニアの自転車好きが集まってできた社内ベンチャーが開発した機能で、2020年にシマノに譲渡されました。
私は2010年のサイクルモードで、プロトタイプを見てきました。

この機能を使えば、接線方向に力を加えることができているかや、引き足が使えているか(6時~12時の間でペダリングの邪魔をしていないか)が一目瞭然ですね。
この「フォースベクトル」機能は、モバイルアプリE-TUBE RIDEのほか、GARMIN、WAHOOのサイクルコンピュータに対応しています。
ULTEGRAであれば、実売価格が13万円程度ですから、すごい時代になったものです。
ひとこと
2010年のサイクルモードでパイオニアの展示を見たときには、すごいなー、欲しいなーと思いましたが、今も同じ状態が続いています。
心拍数を用いたトレーニングもできていないのに、パワーメーターを使ったトレーニングなんて、できそうにありません。
そうこうしているうちに歳を取ってしまい、今はのんびりフィットネスで乗り続けられれば良いかなって思うように…
以前は新しいロードバイクの紹介記事やインプレッションをよだれを垂らしながら読んでいましたが、今は買い替える意欲もなく…
と言いつつ、次に買うならってモデルは頭の中にありますが、そんなに高くないバイクです。
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