先日買い換えたシューズ、fi’zi:k『TEMPO OVERCURVE R4 WIDE』に合わせ、セルフカスタムメイドのインソールを作ってみました。
扁平足だったり、左足が少し外反母趾になっていたりするため、これまでもインソールを入れ替えて使っていましたが、カスタムメイドのタイプは今回が初めて。
今回購入したのは、Reveの『ワットインソール』という商品。
Reveからは、いろいろなインソールが販売されているようですが、この商品は「Bicycle only」となっているので、自転車専用品のようです。
この商品、4/5発売だったんですね。
4/8に手元に届いたので、”最速インプレッション”を書こうかとも思ったのですが、こだわり出すとキリがなくて…
試行錯誤を繰り返すことになってしまいました。
パッケージ内容
外箱はこんな感じです。

中には、インソールのベース部分とクッション材、調整用のスポンジなど。
あとは、説明書が2枚ですね。

この取扱説明書ですが、右側のものは他の製品の流用で、左側のものが『ワットインソール』専用のもののようですが、右側の説明書に書かれている手順の途中で、左側の説明書に書かれている手順を挟まないといけないため、わかりづらかったです。
パッケージの裏面に手順が書かれているのですが、注意が必要です。

ベースレイヤの成型
まず、インソールのベースレイヤの成型を行うのですが、時間との勝負になるため、事前に準備が必要です。
まずは、シューズから現在使用しているインソールを抜きます。
そして、普段バイクに乗るときのソックスに履き替えておきます。
また、バイクに乗るときは、母指球から子指球を繋ぐラインあたりにペダルの中心がくると思いますので、踵重心にならないように、踵の下に板を挟み、クリートのあたりがまっすぐになるようにシューズを置くようにしました。
また、クロージャーシステムはめいいっぱい緩めておきます。

準備が整ったところで、インソールのベースレイヤの成型をします。
真空パックされていますので、そのまま沸騰したお湯に2分間浸けるのですが、このサイズが入る耐熱容器がなかなか見つかりません。
いくら使用前とはいえ、調理器具を使うのもなぁと…
そこで思いついたのが、工具箱でした。

裏面(白い方)を上にして、2分湯煎します。
2分経ったらお湯から引き上げて、真空パックからインソールを取り出し、シューズにつま先合わせで入れます。
この時、裏面(白い方)を下に。
真ん中で縦半分に折り曲げながら入れると入れやすいです。
ここまでを、90秒以内にすますように書かれているのですが、タイムリミットを設定されると焦ってしまいました(^^;
さらに、内側から外側にインソールを伸ばしながら、シューズの形に馴染ませます。
特に踵部分は念入りに。
インソールがシューズの形に馴染んだら、シューズを履いてクロージャーシステムを締めます。
反対側も同様ですね。
両足をシューズに入れたら、8分間そのまま動かずに型を取ります。
できあがったのが、下の写真です。
ソックスの形まで綺麗に写し取られました。
この時には、もうインソールは冷えて固まっています。

型が取れたら、フィルムを剥がして、裏面の紙の型とアーチパッドを外します。
アーチパッドと中足骨パッドの施工
できあがったインソールをシューズに入れて履いてみたところ、確かにフィット感は高いですが、土踏まずのアーチと中足骨のあたりのサポートが弱いように感じました。
ここで活躍するのが、同封されていたアーチパッドと中足骨パッドです。
何度も微調整を繰り返しながら微調整した結果、下の部分にパッドを取り付けることにしました。
パッドは、中心部に両面テープがついており、付け外ししながら位置を微調整できるようになっています。

アクションシートの施工
アーチパッドと中足骨パッドではフィット感がいまいち得られないところ用に、アクションシートが同梱されています。
このシートを必要なサイズに切って貼り付けることで、調整をしていきます。
私の場合、まず土踏まずのアーチに1枚足しました。
ただ、このアクションシートの裏側は全面両面テープになっていて、インソールのベースレイヤに貼り付けるときは良いのですが、アーチパッドに貼り付けてしまうと、パッドのスポンジの強度が接着力に負けてしまい、スポンジの表面が剥がれてしまいます。
最終的にクッション材を貼るので、表面うんぬんは気にせずにいきます。

反対の足は、少し学習して、両面テープのシートを剥がす量を加減しました。

このアクションシートの厚みが1mmで、1mm単位の調整が可能というのがこの商品のウリのようですが、インソールで1mmの違いって結構大きいです。
最後に、リュータで削って微調整を加えれば良いかなと思って、次に進みます。
次に気になったのが踵部分。
どうも浮いているような気がするんですよね。
それもそのはず。
母指球から前の部分は触っていないのに、土踏まずのアーチ部分にこれだけサポートを加えると、踵が浮いてしまいます。
アーチ部分を削るか、踵にアクションシートを貼るかですが、中足骨パッドとアーチの比率はこれくらいで行きたかったので、踵にアクションシートを2枚重ねることにしました。
さらに、おすすめされていたフィンガーロック(指の付け根の部分のサポート)を追加した結果、下のようになりました。

これだけ触ってしまうと、型を取った意味があったの?って思ってしまいますが、重要な母指球から先の部分はほぼそのままです。
また、土踏まずのアーチや中足骨の部分にしっかりサポートを入れたので、長時間乗っても疲れにくいんじゃないかなと思います。
最後にクッション材を貼り、インソールのベースレイヤの形に添って切ったらインソールの完成です。

アクションシートが足りなくなったときの裏技として、このクッション材の切れ端を使うという方法もありそうです。
ただ、私みたいにアクションシートを使い切るようでは、この商品の良さを引き出せていないということになりそうですが…
試乗
完成したインソールをシューズに入れ、試乗です。

はじめは、土踏まずのアーチ部分がしっかりサポートされているって感じだったのですが、次第に痛くなってきて…
15分くらいで元のインソールに戻してしまいました。
でも、元のインソールだと、やっぱり物足りない感じ。
ということで、インソールをもう少しカスタムすることに。
アクションシートのカスタマイズ
試乗で気になったのは、土踏まずのアーチ部分のみ。
特に、足の内側が高いように感じました。
試乗した後のインソールを見てみると、クッション材を貼った直後より凹凸がしっかり表れていて、確かに土踏まずのアーチが内側まで盛り上がっています(痛そう…)。

そこで、表面のクッション材を剥がしにかかったのですが、「ビリッ」。
ですよねー
ベースレイヤの部分はきれいに剥がれるのですが、アーチパッドや中足骨パッド、アクションシート部分がきれいに剥がれません。
破れたものは仕方ありません。
クッションシートは別途都合することにして、パッドとシート部分を残すように、接着面にカッターナイフの刃を入れながら、慎重にクッション材を剥がします。
結構きれいに剥がれました。

ここからはリュータの出番です。
1つ持っておくと、何かと使えます(自転車関係で使うことはほぼないですが…)。
整形外科で作ってもらったインソールを持っているので、その形状を参考にしながら…
クッション材を剥がすのに時間がかかりましたが、削るのはすぐでした。
途中、足に合わせて確認をしながら調整。

アクションシートの調整が終わったら、別途調達した1mm厚のスポンジシートを貼り、ベースレイヤの形に添って切れば、インソール Ver. 2の完成です。

試乗II
1回目よりは良かったものの、やはり土踏まずのアーチ部が痛くなってしまいました。
うーん、難しいです。
左足はまずまずですが、右足が特に痛みます。
これでは乗っていられないと思い、ふたたび作り直すことに…
作り直しII
今回は、闇雲に作り直すのではなく、少し理詰めでいくことに。
まず、せっかく足に合わせて型を取ったのに、アクションシートで変形させすぎているのではないかということ。
もう1つは、インソールを成型するときについているアーチパッドって必要??ってこと。
このアーチパッドがあるおかげで、土踏まずの部分のアーチをサポートした型が取れるのでしょうが、成型が終わってアーチパッドを外してしまうと、シューズとインソールの間にわずかな隙間ができてしまいます。
インソールに、その隙間をキープできるほどの剛性はないため、シューズを履くとせっかく作ったアーチが崩れてしまうと思うんですよね。
あとからアーチパッド(名前が同じなのも紛らわしい)を追加する前提であれば、アーチパッドは表面につけて、土踏まず部分のシューズの形を正確に写し取るべきだと思います。
もしくは、インソールのアーチ部分を分厚くするかですね。
アーチパッドを追加するという『ワットインソール』の利点を殺してしまっているように感じました。
そこで、インソール表側のアクションシートはすべて取ってしまい、代わりに型を取ったときにアーチパッドがつけられていた部分(裏側)にアクションシートを貼ることに。
これでダメなら諦めようかと思いながら、3回目の試乗に…
試乗III
ようやく良い感じに仕上がりました。
って、型を取った状態からほとんど何も触っていないのですが…
土踏まず部分のアーチも良い感じ。
いろいろと触りすぎでしたね。
純正のクッション材が破れてしまったので、Amazonでスポンジシートを購入したのですが、少し滑りが悪いです。
なので、シューズを履くときに少し気をつかいます。
反面、乗りはじめるとシューズ内で足が動かないので、良いグリップ感を得られます。
感想
結局、この『ワットインソール』のウリであるアーチパッドやアクションシートの実力を発揮させることができなかったのですが、それでも型を取っただけあって、既製品のインソールとは雲泥の差のフィット感を得ることができました。
1mmの調整が可能という売り文句ですが、足はもっと敏感で、1mmの違いはかなり大きいです。
1mm”も”変えてしまうと、全然違うフィット感になってしまいました。
素人が成形するのであれば、アーチパッドやアクションシートに頼らない製品の方が良いのかな?と感じました。
気になるところはあったものの、次にシューズを買い換えたときには、間違いなく同様の商品を買うと思います。
現在のシューズのフィット感に満足している方にも、満足されていない方にもオススメです。
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